[レビュー] DENON DNP-800NEの試聴レビュー

皆様,こんにちは.Nony(  )です.

最近はネットワークオーディオについていろいろと実験する日々であります.(もちろん,CDやレコードもちゃんと聴いています.)

現在はLUMIN Appの他,LINN Kazooを利用して「OpenHomeプレーヤー」としてのNT-505も楽しんでいます.

そうしてネットワークプレーヤーの様々な場面を知ると気になってくるわけです.

「他のプレーヤーはどうなんだろう?」

ということで

他のネットワークプレーヤーについても使ってみたいなと思い始めました.

ここでいう「他の」とは,「筆者が未だ使っていないネットワークオーディオのプロトコル」という定義です.
つまり,OpenHome/LUMIN App以外ということです.


思いつく限りの候補を挙げてみる

といっても数はそんなに多くありません.

  • HEOS (DENON/Marantz)
  • BluOS (BluSound/NAD/DALI)
  • FlareConnect (ONKYO/Pioneer)
  • MusicCast (YAMAHA)

上記4つが筆者の思いついた方式です.

とはいえHEOS以外の3つについては正直言って知名度もそこまで高くないかと思います.(BluOSは今後増えるかも?)

ということで・・・


HEOSに触れてみることにした

自身のオーディオシステムにHEOS対応のネットワークプレーヤーを導入してその使い心地を試してみることにしました.

純粋なネットワークオーディオプレーヤーとなれば

・DENON DNP-800NE
・marantz NA6006

の2つに絞られます.(意外とHEOS搭載の純粋なネットワークプレーヤーって少ないんですね・・・)

今回は単純な興味もあってDNP-800NEを使ってみることにしました.


試聴機を借りる

サウンドラインモノリス(  )様にお願いし,メーカー試聴機をお借りしました.

サウンドラインモノリス様,株式会社ディーアンドエムホールディングス様,誠にありがとうございます.


早速設置


NT-505を設置していた箇所に設置しました.

設置した感想ですが...「軽い」
最近は少し重量のあるオーディオ機器の導入が続いていることもあって,サイズの割にあまりに軽かったのでびっくりしました.

あと,フロントパネル右側にある再生ボタンなどのボタン類を押したときの感触が「あまりにも安っぽい」

押したときに少し湿り気の感じる「カチカチ」ではなく,完全に乾いた音で「ガチャガチャ」言ってて,あまり使いすぎると中で固定が外れてしまうのではないかと不安になります.


とりあえずは起動

起動がNT-505に比べて非常に早く,この時点で設置時の心配の半分は吹き飛びました.
webでHEOSのレスポンスに関する不満等が散見されますが,操作端末から認識できるまでの時間も非常に短く,スリープから復帰する場合においては起動時間に不満ありません.

基本的にネットワークプレーヤーは主電源はONのまま,使わないときはリモコンでスタンバイ状態にするので,この「スタンバイから完全復帰までの速度」は個人的に重要な要素の一つです.

内部のソフトウェアはストレスにならないよう高速に動作します.

HEOSの設定もスムーズで,筆者の環境においてはトラブルもありません.



まずはSpotify Connectで


もちろん,DNP-800NEがしっかりと認識されています.

一聴した印象ですが,

「広い」

です.かなり空間表現に秀でた音質ではないでしょうか.
SOULNOTE SM10はモニタースピーカーとして定位の表現に秀でたスピーカーだと思っていたのですが,そのスピーカーが一回り二回り大きくなったようなスケール感の向上がありました.

音が密になりすぎることもなく,全体として見晴らしの良いサウンドです.濃密さ故消えていたようなサウンドもすぐにわかり,「濃淡がはっきりした」サウンドというよりも「カラフル」といったサウンドです.色使いが非常に多い.

ただ未知数なのは,「大きなスピーカーで組み合わせた場合にどうなるか」です.もともと空間表現に秀でた大型のスピーカーと組み合わせた場合にかなり薄味なサウンドになってしまわないか心配に感じました.ここは他のレビューを見るなり実際にお店で試聴するなり,確認しておいたほうが良いかもです.

そして,HEOSアプリからの現在の再生楽曲の確認も

バッチリです.


HEOSでUSBメモリの楽曲を再生する

相変わらずNASは持っていませんので,USBメモリをネットワークストレージに見立ててHEOSアプリ側から操作・再生します.


HEOSアプリを立ち上げて



「USBメモリ」を選択します.



今回はHEOS対応機種を1機種しか使っていませんので詳しいことはわかりませんが,ここでUSBメモリの装着されてる機種を選択する画面が出てきます.ひょっとしたらUSB再生対応機種をメディアサーバーとして使って,他のプレーヤーで再生することも可能なのかもしれません.



機種を選択すると選曲フィルタが出てきます.




まずは個人的に多用するブラウザで検索します.経験則ではありますがタグの埋め込み等にこだわらない人はこの方法が最もアルバムのリストに近い曲順で出てくることが多いです.



特定の曲を聞きたい場合はその曲名を,アルバム全曲をキューに入れたい場合は一番上の「全ての○トラック」をタップし,すぐに再生するか,キューの最後に追加するか,次曲から再生するかを選択します.




選択した再生方法に合わせて曲の再生が始まります.



キューの右上にあるアルバムアートをタップすれば現在の楽曲情報を確認できます.


実際の感想ですが,音質は言わずもがな広いです.
HEOSアプリの操作性に関しても,極端に遅いとかところどころカクつくといったこともなく,十分なスムーズさが確保されています.



難点

使っていて気になったこともいくつかありますので上げておきます

アルバムアート表示時の紛らわしいマーク

USBメモリ再生時にアルバムアートの左上にインフォメーションのマークらしきものが現れるのですが


私の所有している楽曲ではタップしてもうんともすんとも言いません.
これはそういう仕様なのか,タップするとなにか表示されるデータ形式があるのか,謎のままです.

ボリュームがスライド形式

上のスクリーンショットを見てお気づきの方もいるかもですが

ボリュームを左右にスライドして調整するタイプです.
シークバーと場所が離れているため,誤操作は起きにくいと思いますが,なれない人も多そうです.

コンピュータで作曲する方はご存知かと思いますが,殆どの「レベルを上下させるもの」は,左右ではなく上下にスライドするものが多いです.

筆者もこの操作方法は初めて見るため,最初少し戸惑いました.


アルバムアートワークの読み込みに少し時間がかかる

あくまでLUMIN Appと比較しての話ですが,アルバムアートワークの読み込みに時間がかかると感じました.

とはいえ,数曲聴いているうちに見ることのできる状態になっているため,実用上は問題なさそうです.


ボタンの押し心地

先述しましたが,操作ボタンの押し心地がかなり不安になります.あくまで端末からの操作を前提と考えておいたほうが良さそうです.

HEOSでしか操作できない

HEOSそのものはUPnPベースですが,HEOS以外のコントロールアプリでは認識されません.つまり,実質HEOSでしか操作できません.ただ,LUMIN AppからはDNP-800NEがメディアサーバーとして認識されたので,ひょっとしたらUSBメモリ内の楽曲をDNP-800NEに装着したまま別のプレーヤーで再生するといったことは可能かもしれません.




総評

まず驚いたのが価格です.

実売価格は45,000円程度でありながら多くのストリーミングサービスに対応し,USBメモリの楽曲の再生やインターネットラジオに対応し,さらにはDENONのもつ音場表現.

かなり挑戦的な金額だと思います.

しかもライン出力がボリューム可変と固定の2つがあるため,パワーアンプやパワードスピーカーと組み合わせて使うなど,幅広い使い方にも対応できます.

ただ,電源ケーブルが交換不可能だったり,操作は実質HEOSオンリーだったり,細かいところを見ていくと汎用性や利便性に欠ける部分があるのも事実です.

したがって,私はDNP-800NEを,初めてのネットワークプレーヤーとしてマルチルーム化の予定なく,気軽に使ってみたい人にオススメしたいです.

すでにHEOS以外のネットワークプレーヤーを利用していて,マルチルームでの利用を考えている場合は不向きかと思います.


まとめ

NT-505と比較すると価格差のあるプレーヤーですが,

個人的にはその価格差の感じないだけの音質とレスポンスの良さを感じました.
大きめの本体ウィンドウで楽曲名が見えるのも,機器をスピーカーの間に置く人にとっては嬉しい機能だと思います.

個人的にはHEOS以外のプラットフォームへの対応ができるのであれば上位機種が出ると受け入れられるのではないかと感じました.ただ,今後もHEOSオンリーで競合他社と戦うのであればHEOSだけの強みを訴求していく必要もあると思います.(現状では『HEOSだから○○ができる!』といったストロングポイントは見受けられません.)

以上,DNP-800NEのレビューでした.

次回はもう少し音質面にフォーカスしてNT-505と比較していきたいと思います.

次回もご期待ください.
それでは!





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