[レビュー] reProducer Audio Epic 5のレビュー

皆様こんにちは,Nony(  )です!

今回は普段とは少しジャンルが異なりますが,モニター用アクティブスピーカーであるreProducer Audioの「Epic 5」をお借りする機会がありましたので,試聴およびレビューしていきたいと思います!



reProducer Audioとは

reProducer Audioはドイツにあるアクティブモニタースピーカーのブランドです.起源はUnited Minoritiesという会社のようで,この会社はコンサートホールなどの音響システムを手掛けてきた会社のようです.

つまり,プロに対し音響機器を作るメーカーがその品質を多くの作曲者に対し提供することを目指して作られたブランドのようです.

現在,日本国内での代理店はHookUpさんが行っており,Epic 5とEpic 55の2機種を取り扱っています.

試聴の経緯

最近,Nonyはとあることを前向きに検討しています.


そうです.「デスクトップシアター」の導入です.

オーディオルームとは離れた場所で,現在所有しているPC2台のうち1台を活用し,NETFLIXやYoutubeなどの動画をできるだけ大画面・高画質・高音質かつ省スペースで楽しめる空間を作りたいのです.

リビングにPCを置いたワーキングデスクがありますが,その隣がベッドだったり,机の奥行きがわずか60cmしかなかったり,机に備え付けの棚には仕事で使う専門書が並べられていたりと,とてもプリメインアンプとスピーカーを置けるような環境にありません.

また,Nonyは逆木一さんのYoutubeチャンネル内の「オーディオファンは語る」コーナーにて,以下のように話しています.

「PCとアクティブスピーカーで十分に音楽が楽しめる環境にあるなら『オーディオをやっている』と言っていいと思います!」


働き始めて自分が欲しい物に手が届きやすい環境になってからというもの,筆者のデスクトップオーディオシステムは肥大化しつつあります.

そんな状態で上のビデオのようなことを言ったとしても,説得力は段々と薄く鳴っていってしまいます.

つまり,有言実行しようというわけです.


ちなみに,「オーディオファンは語る」コーナーについては以下の記事に補足をまとめていますので,読んでいただけますと幸いです.


そんな中・・・

アクティブスピーカーを調べていると,ふとある記事が目に止まりました.

なんとreProducerのEpic 5が2020年12月末まで無料貸出しているではありませんか!
あくまでアクティブスピーカーの使い勝手を知ると言う意味でも,借りない理由はありません!

ということで,HookUpさんに依頼し,お借りすることにしました.

HookUp様,誠にありがとうございます!


いざ,開封


試聴機の箱なので少し型くずれ等あります.


側面はこんな感じ.


中にはフライトケースがあります.他のスタジオに持っていくことも想定した作りのようです.


ケースはカーボン調ではありますが実際のカーボンではないと思います.


開けるとアクセサリー類がありました.


スパイクインシュレーターと


ゴム脚です.


あと電源ケーブル.ちゃんと3P→2P変換アダプターも付いています.


下の袋を開けると


ご対面.ここでスパイクを付けます.このスピーカー,底面にパッシブラジエターが付いています.この構造,「持ち上げる際に不用意に振動板に触れてしまう」場合があるため,取り扱いに神経質になります.


正面です.2wayのバイアンプ方式のスピーカーです.触っていないのでわかりませんが,ウーファーやパッシブラジエターの振動板はアルミコーンだと思います.バッフルはアルミ削り出し(おそらくCNC)です.よく見ると切削痕がいいアクセントになっています.


背面.RCAとXLRの入力ができます.入力切替は背面でする必要があるため,頻繁な切り替えには向きません.背面はヒートシンクも兼ねていますが,筆者の聴く音量ではそこまで熱くなりませんでした.


側面です.かなり幾何学的なエンクロージャーです.定在波予防でしょうか?バッフル面にも傾斜が付いているので,自分の顔の位置より低いところに置くことを想定しているのだと思います.


ボリュームとパワーインジケータです.ボリュームは軽いクリック感があります.


愛機SM10と並べるとこんな感じです.ウーファーが一回り大きいです.ツイーターも口径が大きいように感じます.

末広がりな構造からか圧迫感は否めません.


いざ,試聴


いざ,試聴します.


SOULNOTE A-0のプリアウトからRCAケーブル(ZONOTONE 6NAC-Granster 2000α)を介してEpic 5につなぎます.


ボーカルっ!!!

まず一聴して気づいたことは,ボーカルとその他の楽器の分離の良さ.
各楽器の分離についても最低限の部分は確保されていますが,ボーカルについては少し雰囲気が異なります.

どんな曲であろうともボーカルに被ると言ったことがなく,くっきりと音像を描き出します.

その一方で,振動対策にかなり手間がかかる気がします.
私が普段音楽を聴く際の音量にまで設定すると,パッシブラジエターの振動を机がもろに拾ってしまい,ブーミー感は否めません.

バーチのインシュレーターやAETとVFEパッドを噛ませてもなかなか改善されないので,机の上に置くことそのものに無理があるのだと思います.

SM10では全くそんなことはなかったのですが,床にまで振動が伝わってしまっているのがわかります.
コレを防ぐとなるとウェルフロートボードやスピーカースタンドのような,物理的に机とスピーカーを話してしまう構造が必要な気がします.あるいは何かしらボードを介してISO-PUCK等のインシュレーターで支えるのも効果があるかもしれません.





それと引き換えてでも,ボーカルが濁らないというのはよく作り込まれたスピーカーだと感じます.

また,ブーミー感は否めないものの立ち上がりなどが聴けなくなるような影響があるかと言われると,そうでもありません.個人の感想としては「もう少し引き締めたいな」と思う感覚です.

低域のそこまで多くないようなバラードなどは全く気になりません.低域の量感だけで言えば間違いなくSM10に勝ちます.もう少し引き締めることができれば質感でも引けを取りません.

空間表現についても思いの外表現力が高いです.アクティブモニタースピーカーなのでピントが各楽器で一点に集中するような,位置関係を是が非でも描き出すのかと思ってましたが,非常に聴きやすく,機器疲れと言ったようなものは皆無でした.

上記の振動の問題さえクリアすれば,ホームオーディオでも活躍できるスピーカーだと思います.

その他

若干ではありますが無音時にノイズが出ます.周囲の道路を車が通らない際に初めて気がつく程度で,生活音が少しでもあれば気になりません.バッフル全面のボリュームの位置に関わらず一定の量のノイズが出ていましたので,入力のノイズを増幅しているというわけではなさそうです.

あと,もともと使用用途が異なるのは重々承知していますが,底面にパッシブラジエターがむき出しというのはやはり取り扱いに気を使ってしまいます.うかつに持ち上げれば振動板のエッジや振動板そのものに触れてしまうので,持ち方に工夫が必要です.

更に,これはスピーカーによるものだと思いますが「緊張感」がわりと強めに出てくる印象です.
B&WやYG Acousticのような,スピーカーの真正面にしっかりと向き合って耳をダンボにしてしっかり聴く.そういう「集中力を求められている」ような感覚があります.SM10のように全体的にスッキリとしているのとは真反対の正確です.


総評

あくまでホームオーディオに用いた場合の話ですが,
「大いにアリ」

だと感じました.プリアンプさえ用意できれば使用方法にも困りません.レコードもCDもストリーミングも通常通りの操作で聴くことができました.

とはいえ,アクティブスピーカーを使うのが実に数年ぶりですので,慣れの問題もありますし,取り扱いにも不慣れですので,今回は「アクティブスピーカーの代表例を一つ知ることができた」という点で大きな収穫でした.

筆者のデスクトップシアター計画に用いるにはいささか大きい(正直な話を言えば,予算範囲外というのもあります)ので,今回知ることのできた音を一例に他の選択肢も模索していきたいと思います.

試聴の機会をいただけたHookUp様,誠にありがとうございました!

次回のブログも乞うご期待ください.
それでは.

 



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