[日記] フォノイコライザーMOON 110LP v2のセッティングを変えてみた

皆様こんにちは!Nony(  )です!

今回はひょんなきっかけから愛用のフォノイコライザー,SimaudioのMOON 110LP v2のセッティングを変えてレコードを聴いてみましたので,その模様とセッティング前後のレビューを記したいと思います!

MOON 110LP v2の導入記はこちら


きっかけ

ごくごく単純なことです.

とある日,他社のフォノイコライザーを調べていると,「負荷インピーダンス切り替え機能」という文言にハッとしまして,

「そういえばMOON 110LP v2の負荷インピーダンスを変えたことがないな・・・」

となりました.

そこで,手持ちのカートリッジの負荷インピーダンスを調べてみたところ・・・・


面白いものがあるではありませんか!


「面白いネタ」とは・・・

生産完了してしまった現在でも「MMといえばコレ!」と言わんばかりの人気がある,Shure M44Gです.





何が面白いかはさておき,ここで負荷インピーダンスについて少しばかり書いておきます.
電気回路が得意な方は少し考えればすぐにピンと来ると思いますが,フォノカートリッジはコイルと磁石が中に入っている以上,インダクタンス(コイルによって生じるインピーダンス)が発生します.

しかもフォノイコライザーやアンプなど,つなぐものは必ず「入力インピーダンス」を持ちますので,これとカートリッジの相互作用によって,場合によっては極端な周波数特性を持ってしまうことがあります.

これを調整するためにフォノイコライザーの入力端子周辺に抵抗やコンデンサを並列につなげています.この抵抗やコンデンサによって形成されるインピーダンスを「負荷インピーダンス」とよび,抵抗値を「負荷抵抗」,コンデンサの容量を「負荷容量」と呼びます.

実際に調べてみると・・・

MMカートリッジは「負荷抵抗47kΩ,負荷容量100pF」を想定した製品がほとんど(共通化がなされたのかは調べてもわかりませんでしたが,暗黙の了解的な何かでしょうか?)なのですが,M44Gは「負荷抵抗47kΩ,負荷容量450pF」とあります.

推奨の負荷容量よりもフォノイコライザーの容量が小さい場合,極端に高域が大きく出るような周波数特性になりがちで,イコライザーカーブの特性をうまく出すことができなくなります.

「初心者向け!変化がわかりやすい!」と人気のM44Gですが,実はこんなユーザー泣かせなところがあるのでした.M44Gが合わなかった人の一部にはこれが原因となるところもあったかもしれませんね・・・・

と,いうことで・・・

早速フォノイコライザーの設定を変更してみます.


MOON 110LP v2の底面にはディップスイッチがあり,これで負荷抵抗と負荷容量の両方,およびゲインを切り替えすることができます.

今回は写真左側の「INPUT IMPEDANCE SETTINGS」の1番,2番スイッチを,450pFに最も近い430pFとなるように設定します.

左右別々の設定というのがなんともまた面白いですよこの子・・・
詳しい切り替え方法は冒頭に紹介した110LP v2のレビューで述べていますので,そちらをご参照いただけますと幸いです.

いざ,比較

なるほど!

まず一聴してわかったのは,エレキギターなどの弦の震えやディストーション・エフェクト耳障りでなくなりました.

たとえば,超ド定番のDIRE STRAITS「BROTHERS IN ARMS」の2曲目「Money for Nothing」や7曲目「The Mans too Strong」(特に”ジャーン!!”というところ)では,M44Gで聴くとしんどく感じる場合も多かったのですが,だいぶ和らいだ印象です.

また,電子楽器が聴きやすくなったのみならず,アコースティックな楽器のリアリティも増し,より調和の取れた音楽を奏でてくれます.特にピアノは艶がより磨かれ,洗練された印象を受けます.

それでいて,M44Gでよく言われる「厚み」や「パンチ」はスポイルしないです.
この「厚み」や「パンチ」を受け付けない人ならまだしも「耳障りな高域がなくなれば・・・・」という人には概ね期待通りの効果をもたらしてくれると思います.

これでも定数だけで見れば足りていませんので,実際に450pFの負荷容量と組み合わせたときの音がどうなるのか,また楽しみが一つ増えました!


ということで,ざっとMOON 110LP v2のセッティングをM44Gに合わせてみた感想でした.

プリメインアンプに内蔵のフォノイコライザーでこういった定数を調整できるものは少ないので,そういった意味でも調整のできる外部フォノイコライザーの恩恵は大きいと思います.

この記事を見て思い出した方,ぜひ挑戦してみてください.

最後まで読んでいただき,誠にありがとうございます!
次回も乞うご期待です.

それでは.

 














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