[雑感] ネットワークオーディオをするだけならオーディオメーカー製ネットワークプレーヤーなんて必要ない

皆様こんにちは,Nony(  )です.

若干釣り要素がありますが,今回はタイトルの内容について,筆者が今からネットワークオーディオを導入するとした場合の環境を踏まえて筆者の考えを述べていきたいと思います.

あくまで私の考えではありますが,興味のある方,最後まで読んでいただけますと幸いです.

経緯

NT-505を導入してはや半年が経過しました.
導入していろいろと遊んでいるうちに更にネットワークオーディオについて興味がわき,いろいろと調べていく上でプレーヤー以外のネットワークオーディオ環境があることを知り,「あえてネットワークプレーヤーを買う」必要がない場合があることもわかってきました.

特に今までPCオーディオをやってきた人には重宝する内容かと思います.

正直な話・・・

日本国内メーカーのネットワークオーディオプレーヤーって色々と惜しい気がします.
DENONやMarantzが提唱するHEOSはNASの音源のシーク(早送りや巻き戻し)ができない(←少なくともHi-Fiでコレはまずい)など,以前から操作性はほとんど改善されていませんし,TEACやESOTERICもソフトウェアやプラットフォームの中身は"アレ"なのに最新版に追随しません.

つまり,音質云々以前にネットワークオーディオとしては外せない「利便性」と「アップデート」を両立できているとは言い難い状況と言えます.

その点,Sforzatoは最初からアプリの開発にリソースを割かず,代表的なアプリケーションで動作確認するという手法でハードウェアや内部ソフトウェアの開発に注力しています.非常に効率的ではありますが,製品保証の観点で見れば,ベストは「アプリも製品も純正で作れる」ことかなと思います.もちろん「双方ともいい加減なものではない」という前提で.

そこでいろいろ調べてみた

とはいえ完成されたネットワークオーディオプレーヤーを欲すると最終的にはLUMINかLINNとなってしまいます.

だがネットワークプレーヤーにこだわらなければ外にもいろいろ選択肢が存在することがわかってきました.

皆様,USB-DACは持ってますか・・・?

あらかじめ・・・

遅れましたが,ここで言うネットワークオーディオプレーヤー(ネットワークプレーヤー)は,「iPadなどのネットワーク接続対応機器からネットワークを通じて機器本体を操作でき,なおかつRCAやXLRなどのライン出力を持つ再生機器」と定義します.

ネットワークブリッジという選択

ネットワークブリッジ(ネットワークトランスポート)が加われば選択肢は格段に広がります.つまり「iPadなどのネットワーク接続対応機器からネットワークを通じて機器本体を操作でき,なおかつデジタル出力できる再生機器」ということになります.

おそらくその名を世に知らしめたのはAurender S10やSforzato DST-01ではないかと思います.

まぁ思いの外PCオーディオ(ここでは「PCとUSB-DACを接続してPCを直接操作してPCに保存された音源を再生する手段」を指します)は普及していてUSB-DACを所有しているユーザーは多いと思うので, USB出力のあるトランスポートとUSB-DACを組み合わせればネットワーク再生環境ができてしまいます.

筆者はUSB-DACと「さよなら」していて,現在のメインストリームとして利用しているものがないため,予算の範囲内で最も利便性の高いNT-505としました.

もし現在USB-DACをそのまま所有しており,今ほど熱心に調べていたのであればSONOREのUltraRenduあたりを購入して使っていたかもしれません.筆者にとってストリーミングサービスが利用できることは外せませんし.

まぁ,UltraRenduとなるとNT-505と価格がほぼ変わらないのであくまで購入していた「可能性」に話はとどまりますが.

Raspberry Piという選択

一時期流行った,いわゆる「ラズパイオーディオ」です.
原則としてストリーミングサービスとの連携はできません(抜け道は存在します)が,ちゃんとした設定をすればOpenHome対応のアプリケーション(LUMINアプリやLINN Kazooなど)で操作可能になります.


上記ページのように専用DACもありますので,こちらはUSB-DACも必要ありません.

ただ,設定に少し戸惑う可能性もありますので,コンピュータの設定や操作に慣れていない場合はオススメできません.そこさえクリアすれば,NASに保存した音源をこれだけコンパクトな装置でOpenHomeを使って再生可能になります.

一時期「ワンボードオーディオ・コンソーシアム」なんて組織ができましたが,もう1年以上最新情報がないため,こちらから情報を得るのはオススメできません.現在はブライトーンさんが積極的にやっている印象です.(一体何のために組織を作ったんだ・・・・)

オーディオ用NASという選択

オーディオ用のNASはUSB-A端子があるものが多いです.



しかも上記の3つはOpenHomeに対応していて,対応のアプリケーションからNASに保存した音源を再生し,USB-DACをつなげて音声出力することが可能です.


そもそもOpenHomeとは

ネットワークオーディオ機器の操作に関するUPnPベースのオープンソース・プラットフォームです.DENONやMarantzで言うところのHEOS,YAMAHAで言うところのMusicCast,ONKYOやPioneerで言うところのFlareConnectに相当します.

OpenHomeが普及する前はDLNAというプラットフォームが用いられることが多かったようですが,LINNがUPnPをベースにネットワーク再生に特化したプラットフォーム(LINN UPnP Extensions)をオープンソース化したことが起源になります.

以下追記---------------------------------------------------------

(2021/07/11)
上記「DENONや~に相当します」の文言は下記記事に沿えば少し意味の異なるものとなるため修正・追記しました.

以上追記---------------------------------------------------------

詳しくはこちらを参照していただけますと幸いです.



結局何が言いたいのか

LUMINやLINNなどの利便性が高いネットワークプレーヤーを買える経済状況になくても,それに近しい利便性を上記方法で導入することができます.

よほど音質に拘るユーザーでも無い限り,これらの方法で十分に満足できるネットワークオーディオ環境を整えることは可能だと筆者は思います.大半の場合は音質以前にちゃんと操作を受け付けてくれなければお話にならない(ハズ)です.
さらにはUSB-DACをつなげれば,各ユーザーの愛機のUSB-DACを使うことになるので音質の面での不満も小さくなるでしょう.

この事実を知ったうえで

ネットワークオーディオの導入を検討されている皆様はそれでもネットワーク「プレーヤー」であることにこだわりますか?

現在ネットワークプレーヤーを販売するオーディオメーカー各社はそれでも「利便性・音質ともに上記の方法に勝てる」と自信を持って言えますか?

正直言って,USB-DACをメインのオーディオ環境で使うことに別れを告げ,手放したことを今になって後悔しています.

NT-505にはUSB-DAC機能もあるため,もしNT-505が今後アップデート等なくネットワークプレーヤーとしての役目を終えたと筆者が考え,なおかつそのときにネットワークプレーヤーの候補として筆者の要求を満たすものが無いときには,迷いなくUltraRenduやそれ相応のネットワークブリッジを導入してNT-505のUSB-DACと接続します.

以上,ネットワークオーディオを始めてから色々と調べ,後悔した筆者の戯言でした.

念の為ここで書いておきますが,NT-505そのものには非常に満足しています.導入前にもっと念入りに調べなかったことそのものを後悔しています.

ストリーミングサービスに対応しているか否かなども含めて,選択項目が非常に多いので,ネットワークオーディオに精通した(ここ重要!)ショップや知人に相談することを強くおすすめします.

ネットワークオーディオの導入に興味ある皆様が導入早々に失敗せず,長きに渡って使うことができることを祈って,この記事を締めたいと思います.

それでは.

 



コメント

人気の投稿