[雑感] オーディオ関係メディアがレビューする「デスクトップオーディオ」について

皆様こんにちは.Nony(  )です!

最近,こんな記事を見ました.

・・・・・・

デスクトップオーディオをしている身からすれば違和感がすごいのですが,私だけですかね・・・?

そんな机使って何するの???

先程取り上げた例の記事

や,また別の記事でデスクトップとして使った例など


フロアスタンディングのガチハイエンドのみならず,たまにこういったデスクトップオーディオの一つの形として提案してくることがありますが,

これらの記事の実使用例の写真で共通点があることにお気づきでしょうか?

そうです.

机の奥行きがほぼありません.

筆者は声を大にしてこう言いたいです.

「そのデスクで音楽聴く以外に何するの?」

と.

デスクトップオーディオの存在意義

いちサラリーマン気まぐれオーディオブロガーの分際でこんなことを書くのもなんですが,上記に代表されるオーディオ専門のメディアや評論家はデスクトップオーディオの存在意義を噛み砕いて認識できていないのではないかと感じています.

ただ「デスクトップオーディオ」を「オーディオ環境のいちジャンル」として捉えて「たまにはこの使い方で記事を打っておくか」くらいのノリで記事を書いているようにしか筆者は思えません.

デスクトップオーディオをしている人たちはそれ相応の理由が何かしらあると筆者は考えています.

というよりも,デスクトップオーディオをする理由がない限りはデスクトップオーディオなんて構成を普通は選びません.極端な話をすれば,本棚の上にコンパクトなシステムを作っても音楽を楽しむという行為そのものは可能であり,あえてそれをしないだけの理由があるはずだと筆者は思います.

デスクトップオーディオをする理由

あくまでこれまでの筆者の事情に沿ってという形にはなりますが,デスクトップオーディオユーザーがデスクトップオーディオをする理由について少し考察していきたいと思います.

デスクトップオーディオを選ぶ理由は主に2つあると筆者は考えています.
  1. 物理的理由(トールボーイやスピーカースタンドを離して置くだけのスペースがない,等)
  2. ライフスタイル的理由(生活の大半をデスクに向かい合って過ごす,等)

理由1では,本棚なども無いような状況で,スピーカーを置く場所がほぼ必然的にデスク上と定まります.筆者が学生時代にデスクトップオーディオをしていた理由がこれにあたります.

理由2では,常にデスク上で何かしらの作業を行うため,そのデスク上で音楽と向き合う環境を作りたいと言うものです(動かないのであれば目の前にスピーカーがあったほうが有利ですし).現在の筆者の理由はこちらになります.

ここで,現在の筆者のオーディオシステムの写真を見てみましょう.




上記2つのレビュー記事と比べて明らかに奥行きがあることがわかります.
このデスクの天板の寸法については,作業性はもちろんのことですが,スピーカーを置いたときに自分とスピーカーの位置関係が調整可能になることを考慮しています.
詳しくは下記ブログ記事をご参照いただけますと幸いです.

上記ブログ記事のように,「デスクトップであること」を言い訳にリスニングポジンションを妥協するようなことはしていません.

ここで改めて・・・

下記2つのレビュー記事の写真を見てみましょう.(画像引用は著作権抵触の可能性があるため,下記リンク先にアクセスして画像をご参照いただけますと幸いです.)


レビューする本人の耳の高さがスピーカーと全く合っていなかったり,デスクの最前面とスピーカーのバッフル面の距離がギリギリだったり・・・・

雑誌とかでは「オーディオの基本!」みたいなタイトルを打ってスピーカーとリスナーの位置関係だったりツイーターの高さだったりその他諸々をレクチャーする記事を上げているメディアが,「デスクトップ」となった途端それらをガン無視じゃないですか・・・・

・・・・筆者は悲しいです.w

これなら本棚の上にシステムを組んで部屋中動いても音楽を楽しむことのできる環境を訴求したほうが「数千倍マシでは?」とさえ思います.(置かれている台が本棚かデスクかの違いですが,それらの違いが生み出すユースケースを少なくとも上記レビュー記事では捉えきれていないと思います.)

さらには

レビュー記事の写真のようなリスニングポジションでオーディオ機器が評価されていると考えるとレビューの信ぴょう性を疑わざるを得ません.

スピーカーとリスニングポイントの距離はどうしようもないとしても,普段のオーディオのレビュー環境とは位置関係が全く異なる環境でオーディオがレビューされているわけです.ましてやツイーターから出てくる音は低域に比べて広がりにくいですから,写真の聴き方だと高域がだいぶ抑えられたような状況になっているなんてことも往々にしてありえます.これほど恐ろしいことはありません.

これらを踏まえても,プロである以上は少なくともユースケースに沿ったレビューをしていただきたいと感じます.

最後に

筆者はオーディオ関係で他人と話すときにデスクトップシステムであることを話すと,筆者と相手の間に交友があるか否かに関わらず高確率で(スピーカースタンドを含めた)フロアスタンディングへの変更を勧められます.

おそらくは「フロアスタンディングのほうが良い音で聴くことができる」という親切心から来ているものだと思いますが,筆者からとってみればあくまでこれらは「前提とする環境の違い」以外の何者でもなく,単にこれらの違いで音質の優劣を決定づけることは簡単ではない(というかできない)と考えています.

また,先述の通り妥協してデスクトップシステムで音楽を聴いているわけではなく,デスクの選定からちゃんと採寸するくらいには出来得る限りの工夫をして最大限その環境を活かすべく努力しているつもりです.

各オーディオファンが各々の好きなコンテンツを楽しむ環境を構築できるのであればその環境に求めることはその環境にいる本人が一番わかっていることだと思います.

「デスクトップ」「フロアスタンディング」といった環境はリスニングスタイルではなくライフスタイルです.各オーディオファンがそういったものをしがらみとすることなくのびのびと自身のオーディオ環境を楽しめる日々であってほしいと願っています.

以上,「メディアならびに評論家がレビューするデスクトップオーディオ」に対する,デスクトップオーディオユーザーの筆者なりの感想でした.

正直,あれだけ奥行きの狭い机の上にあの大きさのスピーカーやアンプを載せてしまっては,机本来の用途である「読書などのその他作業」が困難を極めます.音楽を聴くためだけに「デスク」を用意するということもまずあり得ない(それこそ本棚で事足りるはず)でしょうから,そのあたりの両立は念頭に置いてほしいなぁとどうしても思ってしまいます(ましてやメディアや評論家なら尚更ではないかと思うのは極端かもしれませんが).

2020年に引き続き外出が億劫な2021年のGWとなってしまいましたが,読者の皆様はお身体にお気をつけてお過ごしください.

今回も最後まで読んでいただき誠にありがとうございました!
次回も乞うご期待です.

それでは.

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