[レビュー] Canarino Fils9 Rev.3レビュー(MinimServer編)
皆様こんにちは!Nony( Follow @Nony________ )です!
この度ミュージックサーバーとして導入しましたCanarino Fils9 Rev.3ですが、
すでに設定完了し、筆者のネットワークオーディオ環境におけるミュージックサーバー(オーディオ用NAS + Roon Server)として稼働を開始しています。
基本的な設定が完了したので写真を1枚。
— Nony (@Nony________) March 13, 2022
ちなみに常時GUIはオフです。 pic.twitter.com/YHOzfe685D
以下、自分で設定した部分のざっくりした構成です
- OS:Ubuntu Server 20.04 LTS (Focal Fossa)
- ファイルサーバー(汎用NAS機能):Samba
- メディアサーバー(オーディオ用NAS機能):MinimServer 2.1
- その他:Roon Server、OpenSSH
ハードウェア構成は下記記事をご参照いただけますと幸いです。
MinimServerとは
実際にレビューに入る前に、「MinimServerとはなんぞや」という方がいらっしゃるかもしれませんので少し説明しておきたいと思います。
まず、DELAやfidata/Soundgenicブランドで発売されている、所謂「オーディオ用NAS」ですが、
一般のNASと異なる点が主に3つあります。
1つ目は「筐体設計」です。
まるでオーディオ機器の筐体のように厚みのあるアルミパネルで頑丈に作られていたり、ファンレスにして音がしないように作られていたり、HDDなどの振動源には防振加工を施したりといった設計がなされています。
2つ目は「回路設計」です。
汎用スイッチング電源ではなく低ノイズなスイッチング電源を新規設計したり、高級機種だと大型なリニア電源にしたり、ネットワーク通信のノイズを減らせるように多くの箇所でシールドされていたりします。
そして3つ目が「ソフトウェア」です。
汎用NASのようにPCとネットワーク上でファイルをやり取りするだけでなく、音楽ダウンロードサイトから楽曲を直接ダウンロードする機能を搭載していたり、ネットワーク操作用のアプリからアクセスした際にアルバムをジャンルや歌手、発売年などのファイルに埋め込まれた情報で分類して情報を渡す機能が初めから搭載されています。
この「アルバムをジャンルや歌手、発売年などのファイルに埋め込まれた情報で分類して情報を渡す機能」をメディアサーバーと呼びます。(それに対し汎用NASのようにフォルダ構造をそのままやりとりする機能を「ファイルサーバー」と呼びます。)
このメディアサーバー機能を担うソフトウェアの一つが「MinimServer」です。
メディアサーバー機能を提供するソフトウェアには他に「Twonky Server」(上記オーディオ用NASの全てで採用されています)や
「Asset UPnP」なるものがあります。
つまり、既製品のオーディオ用NASの購入ではなく、筆者のようにハードウェアとしてのPCからオーディオ用NASの機能を搭載しようとするとこれらのソフトウェアのインストールや設定が必要となります。
今回MinimServerにした理由は単純で、「筆者の所有するNT-505の推奨サーバーソフトであるため」です。
動作できるサーバーソフトの個数にはソフトウェア的に制限があるわけではなく、例えば「MinimServerとTwonky ServerとAsset UPnPを同時に実行させておく」ということも可能です(実際にそんなことする状況があるかはさておき)。
レビュー
で、実際にレビューしていくわけですが、
まず最初に感動したことが
「圧倒的.....っ!レスポンス.......っっ!(カイジ風)」
です。
筆者がCanarino Filsを導入するまではオーディオ用NASなんてものは所有しておりませんでしたので、「CDリッピングに使用するラップトップPCにMinimServerをインストールして再生時にソフトウェアを立ち上げる」ということをしていました。
ただ、この運用ではラップトップが未使用時だった場合に「わざわざ再生するためだけにラップトップPCの電源を立ち上げる」という動作が発生していました。
Canarino Filsは常時サーバーとして運用することで、メンテナンス時以外は常時電源ONでMinimServerも立ち上がりっぱなしなので、これまでの「PCを立ち上げる」という動作を完全に排除することができました!
これにより、NASとしてのレスポンス云々の前に、「音楽を聴こうと思ってから実際にファイルにアクセスできるまで」の時間を大幅に短縮できたということです。
更には、ハードウェアの大幅な性能向上により、ネットワークプレーヤーのコントロールアプリからCanarino Fils内のMinimServerに対し様々な操作をしたときの動作も高速になったと感じます。
例えば、MinimServerでは新たにアルバムを追加した際にデータベースの再構築を手動で行う必要がある(正直言って他のメディアサーバーソフトウェアと比較して少々面倒くさいところ)のですが、
あっという間に終わります。
過去のMinimServerでの操作時のレスポンスを記録した動画がないため、あくまで印象には過ぎませんが、先述の「PC立ち上げ」という手順を省けただけでも個人的に大きな進歩に感じます。
LUMIN App、LINN KazooでMinimServerに保存した楽曲を再生する動画を以下に載せておきます。
- LUMIN App
- LINN Kazoo
ここまでのレスポンスで再生、スキップ、シーク、一時停止、アルバム追加などの諸操作が行えれば筆者は不満ありません。
音質は・・・・?
さて、ここで皆さんが気になるのがオーディオ機器では避けては通れない「音質」だと思いますが、
あえてレビューしないでおきます。
というのも、筆者にとってこのCanarino Filsが「人生初のオーディオ用NAS(実際はそれに親しいもの)」であり、これまでの汎用PCとは比べるまでもないからです。
つまり、このCanarino Filsの運用開始が筆者にとってネットワークでのファイル再生の「スタートライン」ということになると思います。
今後オーディオ用NASやサーバーを追加で購入することはないにしても、それらを試聴する際やネットワークオーディオプレーヤー/トランスポートを試聴する際のリファレンスにもなります。
また、いずれミュージックサーバーが出てきて筆者の物欲をビビッと刺激することがあればそのときに徹底的な比較がなされることでしょう。
以上、MinimServerでのCanarino Fils9のレビューでした。
筆者がオーディオ用NASの導入を考え始めたとき、当時はMinimServer標準搭載の既製品などありませんでした。(その後DELA製品が使用可能にはなりましたが)
オーディオ用NASのメディアサーバーソフトのデファクトスタンダードはもっぱらTwonky Serverとなってしまっていますが、もしDELAがMinimServerに対応することがなかったら、Roonに出会っていなかったとしてもCanarino Filsを購入していたと思います。
オーディオ用NASもUSBトランスポート機能やDiretta Host、各種ストリーミングサービスとの連携など、もはや「NAS」という言葉で呼ばれるのがもったいないくらいの機能性を獲得してきましたが、「汎用性」という観点からすれば「ハードウェア構成がPCそのまんまである」という時点でCanarino Filsはこれらのオーディオ用NASを凌駕し得ます。
「メディアサーバーソフトや再生ソフトをユーザーの所有するネットワークオーディオ機器から選択し運用できる」というのは正しくその一つだと思います。
「もっと汎用性が欲しい!もっとだ!!もっと!!!」という人にとってこの製品は最有力候補の一つになるのではないでしょうか?
今回も最後までお読みいただき誠にありがとうございました!
次回も乞うご期待です!
それでは。
非常に興味深く読ませていただきました。
返信削除うちは、Linuxとジェントゥープレイヤーとroonコアを入れて、ディレッタでスフォルツァートへ入れようかと思ってます😁
12月納品が待ち遠しいです。
又、Facebookで、極ネットワークオーディオってグループやってます。
結構濃いメンバーばかりなので、抵抗なければご参加ください🙂